加藤貞夫 (かとう さだお)

プロフィール

加藤貞夫(かとう さだお、1926年生まれ、2013年没)は、北海道八雲町出身の木彫作家であり、木彫り熊の制作で知られています。彼は自らを「熊大工」と称し、素朴で温かみのある作品を多数残しました。

生涯と経歴
1926年:北海道八雲町に生まれる。

1949年:神奈川県湯河原町で指物師の技術を学んだ後、八雲鉱山に勤務。

1960年頃:木彫り熊の制作を始め、茂木多喜治のもとで技術を磨く。

1968年:本州へ転勤となるが、茂木から彫刻刀を託され、制作を続ける。

1975年頃:早期退職後、八雲町に戻り、木彫り熊の制作に専念。

2010年:上海万博の日本館にて、ブドウの木に登る熊の作品が展示される。

2013年:逝去。

加藤貞夫の生涯と木彫り熊への情熱
加藤貞夫(かとう さだお、1926年〜2013年)は、北海道八雲町出身の木彫作家であり、特に木彫り熊の世界において独自の存在感を放った人物です。自らを「熊大工」と称し、素朴で温かみのある作品を数多く残しました。

生い立ちと職人としての歩み
1926年、加藤貞夫は北海道八雲町に生まれました。1949年には神奈川県湯河原町にて指物師(家具職人)としての技術を学んだ後、八雲鉱山で働き始めます。1960年代になると、木彫り熊に魅了され、本格的に制作を開始。名匠・茂木多喜治のもとで技術を磨きました。

1968年には本州に転勤となりますが、その際、茂木から彫刻刀を託され、遠方でも木彫りを続けました。そして1975年頃、早期退職を機に故郷の八雲町へ戻り、木彫作家として本格的に活動を始めます。

作風と特徴
加藤の木彫り熊は、ふっくらとしたフォルムと優しい表情が特徴です。繊細な毛並みの彫りが施され、「這い熊」や「座熊」といった親しみやすいポーズが多く見られます。また、一本の木材から熊と共にブドウの葉や実まで彫り上げる高度な技法も持ち味のひとつです。

彼は作品に「加藤」または「かとう」と記し、号や雅号を使うことはありませんでした。その飾らない姿勢も、作品に滲み出ているように感じられます。

評価と遺産
加藤貞夫の作品は、八雲町の木彫り熊資料館などで鑑賞することができ、地域の文化を語る貴重な資料として愛されています。2010年には、彼の作品が上海万博の日本館にも展示され、国際的な注目も集めました。

2013年に加藤はその生涯を閉じましたが、彼の木彫り熊は今もなお、多くの人々の心を和ませ続けています。その作品は北海道の伝統工芸のひとつとしてだけでなく、人間味あふれる芸術として高く評価されています。

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