高島野十郎 (たかしま やじゅうろう)
プロフィール
1890~1975年。
日本の画家。福岡県出身。
独学で絵を習得、「生まれたときから散々に染め込まれた思想や習慣を洗い落とせば落とすほど、写実は深くなる。写実の遂及とは、何もかも洗い落として生まれる前の裸になる事、その事である」と、高い精神性でもって写実を一心に追求する。
彼は精密な写実画を描くにあたって、対象の観察に長い時間をかけている。
渓流を描くために奥秩父に赴いた時など、旅館に泊り込んで何日も同じ流れを視つづけたという。
そのため水流が止まり、両岸の岩が流れ始めるような錯覚に陥ったそうである。
また、1枚の絵を仕上げるのに2年の歳月をかけることが常で、
しかもその作品は週刊誌かグラフ雑誌程度の大きさしかないものが多かった。
それを同時並行的に多数の作品に着手し、完成に長い期間を要している。
「雨 法隆寺塔」に至っては、完成に17年もの歳月を費やしているのである。
一点一画までおろそかにせず、研究するように絵を描く。
「花一つを、砂一粒を人間と同物に見る事、神と見る事」のように、彼はすべての物が内包する神性のようなものを描こうとした。
それは対象の真に迫り、その本質を明らかにすることだったのである。
主な作品
「傷を負った自画像」
「雨 法隆寺塔」
「蝋燭」など
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